- 悉曇
- しったん【悉曇】〔梵 sīddhaṃ の音訳で, 成就・吉祥(キツシヨウ)の意。 もと字母表の初めに成就・吉祥を願ってこの語を書いたところから出た語〕梵字の字母。 摩多(マタ)(母音)一二字と体文(タイモン)(子音)三五で構成される。 狭くは, 摩多のみをさす。 また, これに関する研究をもいう。 日本へは八世紀頃に伝えられ, 五十音図成立のきっかけとなるなどの影響を与えた。 当時の盛んな悉曇学の集大成に, 安然(アンネン)著「悉曇蔵」(880年成立)がある。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.